優生手術を合法化した立法過程やそれに基づいた法の執行の責任ばかりが注目される傾向にありますが、国の責任論を超えた、本質的な解決に結びつく調査・検証こそが重要であると考えれられています。
このような中、市民の人権擁護の会(CCHR)日本支部は、6月17日(月)に衆議院第一議員開館にて11時から精神医学の歴史と現状をパネルや資料にまとめて示す、特別パネル展示・勉強会を開催します。
先日、ドイツ支部の代表であるベルント・トレッピング氏を新宿(場所:サイエントロジー東京ビル)に迎え、ドイツにおいてナチス・ドイツが引き起こしたホロコーストの背後に精神科医らが主導していたことをどのように調査し暴露したかについて報告がなされました。
第2次世界大戦時、特にナチスドイツが犯した人種差別に基づく大量虐殺(ホロコースト)は断じて許されるべき事柄ではありません。
CCHRはこのドイツから輸入された人種差別の生みの親でもある精神医学(優生学)に焦点をあて、長年にわたり、問題提起を行ってきました。ついにその結果として、2010年にはドイツ精神医学精神療法神経学会の会長がその虐殺に精神科医らが関与したことを認め謝罪もしています。
ドイツの精神医学精神療法神経学会会長のシュナイダー教授が自ら、2015年に開催された第111回日本精神神経学会に招かれました。そこでは、ユダヤ人や、精神障害者の殺戮に加わった精神科の医師や、1933年に成立した遺伝病子孫予防法によって、身体に障害があるという理由だけで、強制断種手術を受けた40万人以上の犠牲者のことが紹介されています。
『皆さん われわれ精神科医は,ナチの時代に人間を侮蔑し、自分たちに信頼を寄せてきた患者の信頼を裏切り、だまし、家族を誘導し、患者を強制断種し、死に至らせ、自らも殺しました。患者を用いて不当な研究を行いました。患者を傷つけ、それどころか死亡させるような研究でした』
日本の精神医療では、断種、強制不妊、優生思想、障害者の隔離収容というホロコースト政策の影響が輸入され、1950年代、60年代の精神科病院の乱立 へとつながり、その結果日本は収容列島と言われる精神病院大国となりました。このような歴史的な流れの中、今一度見直しをして日本がどのように立ち直していくことができるのかを考える良い機会となることを願っています。
特別パネル展示・勉強会お知らせ
~強制不妊問題の本質とそこを引き継ぐ発達障害バブルの問題に迫る~
開催日時:6月17日(月)
11時半~18時
場所:衆議院第一議員会館大会議室
〒100-0014 東京都千代田区永田町2丁目2−1
参加費:無料
・11時30分~18時 精神医学の歴史を検証するパネル展(終日展示)
・12時~12時45分 解説講演「日本の強制不妊手術モデルとなったドイツの検証」
・16時15分~17時 解説講演「現在に受けつがれる問題~発達障害バブル~」
主催:市民の人権擁護の会 連絡先:03-4578-7581
市民の人権擁護の会は、アメリカの人道主義者L.ロンハバードの調査内容に基づき、1969年、精神医療の人権侵害を調査・摘発するために、サイエントロジーと米シラキュース大学名誉教授のトーマス・サズ博士(故人)によってアメリカ・ロサンゼルスに創設されました。
特定非営利活動法人イマジンは、知的障害者のノーマリゼーション、覚せい剤撲滅の普及啓発活動を行っており、市民の人権擁護の会を応援しています。